ステッピングモーター、リニアステップの定電流駆動時のコイル選定について

対象製品:ステッピングモーターPF(PFC)シリーズ、リニアステップPFL(PFCL)シリーズ

ステッピングモーターには定電圧・定電流駆動方式があり、それぞれに特徴があります。​
定電流駆動方式をお使いの場合、定電圧駆動方式に比べ高速応答性の改善や、設定する電流値に応じたトルクの調節が可能になるなどメリットがありますが、
ご使用モーターの選定に当たってはいくつか注意点があります。

詳しいご説明が必要でしたら、弊社営業担当もしくはお問合せフォームよりお気軽にお問い合わせ下さいませ。​

推奨するコイル仕様

定電流駆動方式に適したコイル仕様は、コイル抵抗値およびインダクタンスの低いものが適しています。
駆動回路としてAD1231、AD1431等を使用する場合、標準ラインナップからはシリーズ毎に下記のコイル仕様を推奨いたします。

PFC10 -(設定なし) R(バイポーラ)
PFL20 -(設定なし) Q(バイポーラ)
PF(PFC・PFCL)25 D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PF35 D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PF(PFL)35T D(ユニポーラ) W(バイポーラ)
PF42 D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PF(PFC)42T G(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PFC42H D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PF(PFC)55 D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PFC55H D(ユニポーラ) Q(バイポーラ)
PFCU20 -(設定なし) W(バイポーラ)
PFCU25 -(設定なし) Q(バイポーラ)
PFCU30 -(設定なし) W(バイポーラ)

上記以外のコイル仕様の場合、例えば駆動回路供給電圧が24Vでコイル仕様にPコイル(24V定格)などを組み合わせるとコイルに電流が十分に入らず、
定電圧駆動と同等以下の性能になる可能性がございます。

なお、電源電圧が12V以下(他社製駆動回路)などの場合は別途コイル仕様(準標準仕様等)のご相談も可能です。

電流設定値の決定方法について

当社のPM型ステッピングモーターはコイル端の電圧値で仕様を規定しているため、定電流駆動の場合はコイルに合わせた電流値を駆動回路側で設定する必要があります。
電流値設定が適切でない場合、トルクが十分に発生しない、過熱損傷などのおそれがあります。

基準とする電流値の計算方法はコイル抵抗と定格電圧から求めることができます。
※運転条件・環境温度などによっては基準に対して電流値を増減させる必要があります。

    基準電流値I[A]=電圧値E[V] ÷コイル抵抗値R[Ω]

実際の設定値について
以下のような条件では、電流値を基準電流値の80%程度かそれ以下に減じて(ディレーティング)お使いください。
・連続駆動またはオートカレントダウンを使用しない場合
・高いパルスレイトでの使用時
・周囲温度が高めの環境中での使用時
・低いパルスレイトでモーターの振動が大きすぎる場合

以下のような条件では、電流値を基準より増やしてトルクを増やすことも可能です。
モーターケースの温度が100℃(リニアステップは80℃)を超えない範囲で電流値を調整してください。
・間欠駆動でオートカレントダウンが有効の場合
・周囲温度が低めの環境中での使用時

例:PF25モーターのQコイルを定電流駆動で使い、連続駆動を行わせたい場合
 コイル抵抗値 15[Ω] 電圧4.4[V]なので、4.4÷15=0.294[A]を基準に、80%ディレーティングを設定し、0.235Aに設定します。
複合的な条件の場合はお問い合わせください。

ドライバ供給電圧について

モーターのコイル端電圧(コイル抵抗値×設定電流値で得られる値)の3~4倍以上の電圧を供給すると電流を綺麗に制御できます。
これより低い電圧でも問題ありませんが、定電流駆動のメリットが少ない場合があります。

(例:15Ωコイルを0.35Aで駆動する条件の場合、コイル端電圧は5.25Vとなるので、ドライバ供給電圧は16~21V以上がベター)

モーターの速度とトルク・発熱について

定電圧駆動では0pps(停止時)が一番トルクと熱が発生し、高速回転になるほどトルクも熱も減少します。

定電流駆動では高速回転でのトルクの落ち込みを軽減することができますが、発熱は増加します。
停止時はカレントダウン機能により発熱を効果的に抑制できます。


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